3歳の娘が麻疹になったのは、図書館に行った日のことだった。
その日、外出したのは図書館だけ。会ったのは図書館で働いている人くらいで、帰りに少し周りを散歩した程度だった。どこで感染したのかは、今でもわからない。
麻疹の感染力が強いことは知っていた。でもまさか図書館で、とは思わなかった。すれ違っただけでも感染することがある、それが麻疹だ。
娘はいったい、どこで感染したんだろう。図書館ですれ違った数人だったのかもしれない。今となってはわからないけれど、それくらい麻疹の感染力は強い。
最初は本当に普通の風邪としか思えなかった。高熱、咳、鼻水。でも熱が下がってもまた上がる、その繰り返し。そしてお腹全体に赤いぶつぶつができてきた。
娘は1歳のときに水ぼうそうにかかったことがある。だから最初は「また水ぼうそう?2回もなるの?」と思った。でも何かが違う気がして、夕方にサチュレーションを測ったら93%だった。「これはまずい」と思って、すぐに救急外来へ向かった。
娘には持病がある。風邪をひくとサチュレーションが下がることがあるので、風邪をひいたらとりあえず測る、がうちのルーティーンになっていた。この習慣がなかったら、もう少し受診が遅れていたかもしれない。
救急外来で診てもらったら、「これ、麻疹ですね」と診断された。娘の持病の専門外来が入っている病院だったので、先生もすぐに状況を把握してくれた。自宅療養になり、回復まで約2週間かかった。その後、同じ病院を受診して回復を確認してもらった。
2週間、長かった。熱が下がってはまた上がる、その繰り返しに付き合いながら、ただひたすら娘の様子を見ていた。
麻疹と診断されると、病院から管轄の保健所へ連絡が入る。そしてしばらくして、保健所から電話がかかってきた。
確認されたのはこんなことだった。
子どもと親の母子手帳に記録されている予防接種歴、子どもと親が過去に麻疹にかかったことがあるか、そして祖父母や兄弟に麻疹にかかったことがある人はいるか。
娘の母子手帳はすぐに出せた。でも私自身の母子手帳——母に聞いたら、「おとなになったから処分しちゃった」と言われた。
親の母子手帳まで必要になるんです。
試しにGoogleで「母子手帳 捨てる いつ」と検索してみると、「6歳ごろ」という情報が一番上に出てくる。でも実際には、麻疹のような感染症が発症したとき、子どもだけでなく親の予防接種歴まで確認が入ることがある。
子どもが小学校に上がったら、もう必要ないかな。そう思う気持ちはよくわかる。私の母も、悪気があったわけじゃない。ただ「もう大人だから」と思っただけだと思う。
でも、だからこそ伝えたい。
母子手帳は、対象の子どもが生きている限り、捨てないでください。
年齢じゃないんです。その子が生きている限り、必要になる日がくるかもしれない。麻疹がニュースで取り上げられている今、母子手帳の保管場所をもう一度確認してみてください。できれば、自分の親にも「処分しないでね」と一言伝えておくと安心です。
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