
毎年この時期になると、郵便受けに少し大きな封筒が届く。
「ああ、この季節だな」
と思いながら、封を開ける。
小児慢性特定疾患の、更新申請の書類だ。
毎年同じように封筒を受け取って、書類を準備して、送る。
それでも、この封筒を見るたびに、子どもの身体のことを改めて考える。 更新があるということは、まだこの病気と一緒に生きているということ。
それだけのことなのだけど、なんとなく毎年、そんなことを思う。
小児慢性特定疾患って、なに?
小児慢性特定疾患とは、0歳から18歳までの子どもが対象の制度。
簡単に内容をいうと治ることが難しく、長期間にわたって治療が必要な病気の子どもを支援するためのもの。
ひとくちに
「小児慢性特定疾患の子ども」といっても、その状態は色々。
普通の子どもと同じように学校に通える軽度の子もいれば、退院ができず病院で生活を送る重度の子もいる。
この制度で大事なのは、医療費の窓口負担が軽減されるということ。
小児慢性特定疾患の子どもは、普通の「子ども医療費受給券」では対応できない。 なぜかというと、1回の受診にかかる金額が高額になるから。
受診のときに必要なのは、この3つ。
- 小児慢性特定疾患受給券
- 保険証(マイナ保険証)
- 小児慢性特定疾病医療支援自己負担上限管理ノート(以下、管理ノート)
管理ノートというのは、どこの病院や薬局でいくらかかったかを記入してもらう手帳のようなもの。おくすり手帳より薄めで、毎回病院や調剤薬局の窓口で手書きしてもらう。
窓口負担は、保護者の税金の状況によって変わる。高額療養費のように6段階くらいに分かれているイメージ。非課税世帯でも申請は可能。
まるまの場合

うちの子の病気がわかったのは、生まれて数日のことだった。
最初にわかったのは、専門外来ではなく産婦人科。
専門医ではないため「たぶんこれかな」という段階で、紹介状を持って転院することになった。転院先の専門医で診断が確定して、入院となった。
小児慢性特定疾患の制度については、自分から動いたわけではない。
診断が出ると、担当看護師や医師経由でソーシャルワーカー(SW)に連絡がいき、病室まで説明に来てくれた。
混乱している時期に、自分から動かなくてもサポートが来てくれたのは、本当に助かった。
申請の流れ(私の住んでいる地域の場合)
新規の場合
現在も、新規申請は保健所へ直接行って行う。
必要なものはこちら。
- 申請書(同じ扶養内の健常・疾患にかかわらず全員分)
- マイナンバー
- 住民票
- 前年度の課税証明書
- 主治医(指定医)の診断書
診断書は、受診当日にもらえるものではない。
受診のときに「小児慢性の申請をするので診断書を書いてください」と指定医に直接お願いして、手元に届くまで2〜3週間ほどかかる。
また、診断書には遡及効というルールがある。申請日より3ヶ月前までの診断書が有効とされているので、申請期間(6月1日〜7月31日)に間に合わせるためには、3月頃から5月中旬ごろに受診して先生にお願いしておく必要がある。
初めての申請の場合、このスケジュール感を知らずに焦ってしまう方も多いと思う。
早め早めに動くことが大事。
受給券が届くまでは、約2ヶ月かかる。
その間に受診が必要な場合は、償還払いになる。保護者がいったん立て替えて、あとから保健所に申請する形だ。
ただ、病院に相談したら受給券が届くまで待ってもらえる場合もある。
病院によって対応は違うと思うが、困ったらまず相談してみることをおすすめしたい。
更新の場合
コロナ以降、更新は郵送対応のみになった。
以前は
収入印紙を準備して、課税証明を取得して、仕事を休んで保健所に出向いていたので、正直かなり楽になった。
必要なものはこちら。
- 申請書(前回の内容が印字済みなので、変更点のみ記入)
- 課税証明(マイナンバー連携していれば不要)
- マイナ保険証のコピー(扶養者と疾患該当者の分)
- 前年度使用していた受給券と管理ノート
これらを封筒に入れて送るだけ。
新しい受給券が届くまで、同じく約2ヶ月だ。
不明点が出たら、保健所に問い合わせると丁寧に教えてくれる。
抱え込まずに相談してみてほしい。
毎年この封筒を見て思うこと
毎年この封筒を受け取ってきた。
更新が切れたことは一度もないけれど、もし間に合わなくても保健所に相談すると、いろいろ教えてくれたり、なんとかしてくれる。
困ったら、保健所。
困ったら、病院に相談。
この制度は、知っているか知っていないかで、家族の負担がかなり変わってくると思う。
この封筒が届くたびに、子どもの身体のことを改めて考える。
更新し続けているということは、この子と一緒に、また1年を過ごせるということ。
それが、毎年この封筒を開ける、私の気持ち。


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